未来予想図Ⅱ

僕は競馬が好きだ。強い馬が圧倒的な勝ち方をするのはかっこいい。他のスポーツでいえば相撲で強い力士が負けると座布団が飛ぶし、スポーツでなくても将棋でも強いと期待されている人が勝ったときよりも負けた時の方がニュースになっているイメージがある。みんなどこかで誰にも負けないような圧倒的な存在に憧れを持っているのかもしれない。でも、それと同じくらいあまり期待されていないような人が急に頭角を現し始めるのも面白い。

 

競馬は全てのレースで人気がオッズという形で明確にわかる。もちろん人気の馬のオッズは低くなるし、期待されていない馬のオッズは高くなる。これは全くの個人の好みの問題だが、僕は人気のない馬が好きだ。それは、僕がギャンブラーだから高い配当金を狙って人気のない馬に期待してしまうという性格なのかもしれない。でも徒に人気のない馬を狙って買うわけでもない。競馬の世界では、馬の能力だけでなく、騎手の技術さらには芝の状態や馬の血統、様々なファクターが絡んで人気というのが形成される。そういった中で、自分の予想が他の大多数との予想との間に差があったときに面白さを感じる。

 

競馬は基本的に土日の休日にやっている(※地方競馬などはその限りではない)ので例によって今日も競馬の事を考えながら生活をしていたわけだ。しかし、前述のとおりレース前の数十分の間に完全に予想をするのは難しいから前日の夜などにだいたいの予想を固めておく。今日も昨日に予想したレースを見ながら、どの予想が良かっただの全くの見当違いだったとかを考えていたわけだ。「今日は雨が降るから、走りにくくなっていつもより荒れるんじゃないか?」だったり、「雨になってしまうと予想がやりなおしだ」なんて競馬仲間と話していた。

 

今日は実際はそこまで大荒れというわけでもなく、人気通りの決着が多かったような印象を受ける結果で惨敗だった。追い打ちをかけるように、僕は建物から出ると雨が降っていた。「この天気のせいで予想が狂ってしまったなあ」なんてお天道様の事を恨みながら傘を開こうとしたが、傘なんて持っていなかった。

 

馬が走るコースのことを考える前に自分の歩く道の事を考えないといけないな。